今注目のD2C!Amazon利用のメリットや将来性とは?成功事例も紹介

D2C(Direct to consumer:直販)とは、製造から販売までを一貫して行うビジネスモデルのことです。自社のECサイトを使い、直接(Direct)、消費者(Consumer)に販売します。ここでは、国内大手のECモールであるAmazonを利用したD2Cの特徴、メリットとデメリットについて解説し、成功事例を紹介します。

D2Cとは

はじめにD2Cについて概説します。またD2Cの事例として、Away、Casper、Nikeの取り組みを紹介します。

D2Cとは

D2Cとは「Direct to consumer」の略です。DtoCとも表記します。製造から販売までを一貫して自社で行うビジネスモデルであり、消費者(Consumer)に直接(Direct)販売する仕組みです。
D2Cは一貫したブランディングが可能。顧客に「この会社だから」「このブランドだから」と選んでもらえるような特別感を演出できます。

D2Cの成功事例

D2Cの事例として、AwayやCasper、Nikeなどの企業が挙げられます。
スーツケースを扱うAwayでは、D2Cにより中間マージンを削減し、コストダウンに成功しました。高級ブランド並の品質を低価格で実現しています。
マットレス販売のCasperでは、100日のトライアル期間を設け、利用者が気軽に買いやすく、返却しやすいシステムを整えました。また、商品をコンパクトに圧縮し、持ち運びやすい箱にしたこともヒットし、感動した利用者が画像を撮影してSNSに投稿することで話題に。10か月で約20億円を売上げました。
Nikeは「身体接触なしの接客」などデジタルに特化した体験型店舗を実現しています。

Amazonを利用したD2Cの特徴や将来性

国内EC市場は、2020年には10兆円を超えると言われます。なかでもAmazonはトップクラスのモールです。ここでは、大手通販サイトAmazonを利用したD2Cの特徴や将来性について解説します。

Amazon利用のD2Cの特徴

近年、企業が「Amazonセラー」を活用する動きが活発化しています。以前は、4種類しかなかった商品ページのフォーマットも、現在は10種類以上のフォーマットから選択が可能になりました。
フォーマットの増加とともに、商品画像や商品説明といったコンテンツを充実させ、ブランドカラーを出して商品の魅力をユーザーに伝えようとする販売セラーが増加中。
1年の期間で、D2Cスタートアップの商品を販売開始させるための取り組みを設けています。

Amazon利用のD2Cの将来性

富士経済によると、2020年には国内EC市場は10兆円を超える見込みです。
国内EC市場では、「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング・PayPayモール」の3大モールが約6〜7割を占めています。そのうち、Amazonが最も大きいシェアを持っています。2018年のデータによると、Amazonの市場規模は2兆7000億円と巨大で、伸び率は前年比117%。楽天市場の伸び率(前年比109%)を上回っています。

通販市場は2017年に10兆円突破 EC市場は2020年にも10兆円突破の予測 | 富士経済グループ

https://www.fuji-keizai.co.jp/market/detail.html?cid=19043&view_type=2

Amazonを利用するD2Cのメリット

Amazonを利用したD2Cのメリットである「レビューの信頼性」や「広告メディアとしての活用性」「Amazon Payによる決済」などを紹介します。

レビューの信頼性が高い

ユーザーは商品を購入する時に、レビューを参考にする傾向があります。一般的なECサイトに比べてAmazonはレビューの信頼性は高く、上質なレビューを多く獲得することで購入率を上げられます。

広告で競合対策ができる

Amazonには、Amazonのテクノロジーを駆使した「スポンサープロダクト広告」があります。この広告はスマホに最適化された表示技術によって、商品ページの中に自然に溶け込めていることが特徴。スポンサープロダクト広告により、競合商品ページ内に自社商品の広告を露出することが可能です。

広告メディアとして活用できる

Amazonを利用することで、広告メディアとしても活用できます。先ほど紹介したスポンサープロダクト広告は、Amazon内で自然に商品の露出を増やせるため、ユーザーは違和感を覚えることがありません。他にも、Amazonの動画広告「Amazon Video Ads」があります。動画広告は、マーケティングの課題の一つであるリーチ効率に優れています。

Amazon Payで決済できる

Amazon Payは、Amazonが提供する決済サービスのこと。Amazonを利用したD2Cに留まらず、自社ECサイトを構築する際にも導入できます。Amazon Payを導入しているECサイトであれば、ユーザーはAmazon利用時と同じアカウントで買い物できるため、初めてのECサイトでも抵抗感が少なくなるでしょう。
これは、将来的に自社ECサイトに移行する場合にメリットです。またAmazon Payは、カートに商品を入れて決済せずにサイトを離脱してしまう「カゴ落ち」対策としても導入されています。

Amazonを利用するD2Cのデメリット

Amazonを利用したD2Cには多くのメリットがありますが、一方でデメリットも無視できません。ここでは、Amazonを利用したD2Cのデメリットを紹介します。

手数料がかかる

Amazonを利用すると初期の構築費用はかかりませんが、手数料の問題があります。スタート時はAmazonの強さを感じられますが、時間経過とともに手数料が圧迫し、メリットを感じなくなることもあるでしょう。

  • 通常アカウントの場合
    • 月額4,900円(税抜)の出店料
    • 販売手数料(商品のカテゴリーごとに約8~14%の範囲で設定)
  • 登録商品49種類以下の出品者向けアカウントの場合
    • 出店料はなし(月額無料)
    • 販売手数料(商品のカテゴリーごとに約8~14%の範囲で設定)
    • 一度の取引に手数料とは他に100円発生

競合する出品者に影響されやすい

Amazonを利用することで、競合する商品の値下げなどの影響を直接受けることがあります。さらに、インターネット上のトラブルに巻き込まれることも。例えば、他社の炎上に影響を受ける可能性があります。

自社で商品イメージを育てにくい

Amazonの仕組みを利用するので、自社でSEOを行うことができません。商品の露出を安定させることが難しく、一度ポジションが決まると変えることは難しいです。
Amazonに商品を供給するサプライヤーとしてのイメージが固定化することも。

Amazonを利用したD2Cの成功事例

最後にAmazon利用したD2Cの成功例として、Tshirt.st アパレル事業部、Suprieve株式会社、Anker Japanの事例を紹介します。

Tshirt.st アパレル事業部

メンズファッションを展開するアパレルメーカー、Tshirt.st。自社サイトを運営していましたが、Amazonでのアパレル関連ビジネスに成長の可能性を感じ、出品を決めました。
商品の在庫保管・配送代行サービス「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を併用し、配送の速さと商品管理の効率化にメリットを感じているそうです。
同社では、スポンサープロダクト広告を利用。2018年のプライムデーでは広告経由の売上は前週平均の4.5倍、総売上も同4.4倍を達成しました。一方で広告費は同期比2倍弱程度でした。

Suprieve株式会社

Suprieve株式会社は、2015年からAmazon.co.jpにて自社商品を販売しています。Amazonにした決め手は、Amazonにおける品揃えの豊富さ、特別な知識がなくても商品詳細ページを容易に作成できること、配送やオペレーションなどのサービスが充実している点などです。
商品開発にも、Amazonカスタマーレビューを活用。その他、他社商品や類似商品のレビューを調べ、改善点の洗い出しに利用しています。
さらに、スポンサープロダクト広告を利用。主力商品で検索結果表示の順位1番を達成しました。

Anker Japan

Anker Japanは、デジタル関連製品での販売実績を誇るAnkerグループの日本法人です。
Amazonを販路の中心に据えた理由は、FBAの仕組みに魅力を感じたからとのこと。製品ページを用意してFBA倉庫に在庫があれば、Amazonが製品の発送から入金まで手配。効率的なところがスタートアップとして魅力的でした。
販売開始後、初年度の売上は10億円弱、6期目で100億円を超えています。

Amazon利用のD2Cを知ってECサイトを始めよう

AmazonのD2Cでの販売の特徴やメリット、デメリットを知ることで、オリジナルD2Cサイトとの違いや自分にあった販売方法が見えてくるでしょう。あなたらしさ満載のサイトを目指して、気軽にAmazonでのD2Cを始めてみませんか。

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