ペットフードに向くパッケージを解説!記載が必要な内容もチェック
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ペットフードのパッケージはデザインや形状に加え、気密性や防湿性などの機能性を考慮して製作する必要があります。また、商品化を進める際には、法律で定められた項目を記載することも重要です。この記事ではペットフードに向くパッケージや素材、制作する際のポイントとともに、必要な表示項目を紹介します。
目次
ペットフードに向いているパッケージ
消費者の目に真っ先に飛び込んでくるのはパッケージです。自社の製品を多くの消費者に購入してもらい、なおかつリピーターになってもらうには、フードの質はもちろんのこと、パッケージにこだわることも大切。そこでまずは、パッケージのデザインや形状、素材について解説します。
1.デザイン
パッケージは訴求したいポイントを絞って、できるだけシンプルなデザインを意識することが大切です。特徴のあるブランドロゴや商品名、色使い、写真など、さまざまな要素を詰め込み、独自性を発揮しましょう。明確なターゲット層を意識した世界感を表現することで、消費者の目を引くパッケージが完成するはずです。
2.形状
ペットフードのパッケージとして一般的に使われているのは、ガゼット袋・スタンディングパウチ・平底袋(ボックスパウチ)・三方袋・レトルトパウチなどです。
ガゼット袋は、両サイドにマチがあるタイプのパッケージ。ガゼット袋に底にマチを付けることで自立するよう設計されたスタンディングパウチです。
名前の通り底が平らな平底袋(ボックスパウチ)は、スタンディングパウチよりも自立性に優れていて、内容量が減っても安定して自立するところが特長です。三方袋は2枚のフィルムから作られており、側面と底の三方を貼り合わせていることから、このような名称がつけられています。
人間用の食品を入れるパッケージとしても定番のレトルトパウチは、外気を遮断できるため製品の質を長く保てます。ペットフード用のパッケージを制作する時は、製品に合った形状を選ぶことも大切です。
3.機能性
ペットフードは、含水率を基準にドライタイプ・セミモイストタイプ(ソフトドライタイプ)・ウェットタイプの3つに分類されています。含水率によって品質の保持方法が異なるため、製品のタイプに合う機能性を持つパッケージを選択する必要があります。
ドライタイプは、含水率が10%程度以下のフードです。13%を超えると微生物やカビが増殖してしまうので、12%以下を保つ必要があります。ドライタイプの品質を保持するには、防湿性の高いスタンディングパウチが適しています。
次に、セミモイストタイプやソフトドライタイプは、含水率が25~35%程度のフードです。湿潤調整剤を使用して、フードのしっとり感を保ちましょう。パッケージはガスバリア性と密封性が高い「ジップ付きアルミスタンド袋」がおすすめです。
ウェットタイプは、フードの含水率が75%程度のもの。品質保持のために殺菌をしてから、外気を遮断できる密封容器に詰めていきます。使用される容器やパッケージは、アルミトレーや缶詰、レトルトパウチが一般的です。
ペットフードのパッケージに使われる素材とその特徴
ペットフードのパッケージは、開封後に一定期間保管できるような機能も必要です。ここでは、一般的にペットフードのパッケージに使われる素材と特徴を紹介します。
1.アルミ箔とプラスチックフィルム
耐久性のあるプラスチックフィルムとアルミを貼り合せた多層フィルムで、ガスバリア性・防湿性・遮光性に優れているため、長期保存が可能です。通常の缶詰容器と比べ、加熱殺菌処理が短時間で済み、素材そのものの美味しさを保てます。
2.クラフト紙とアルミ
ナチュラルな風合いのクラフト紙を、アルミ袋に貼り合わせた素材です。防湿性と遮光性に優れている上、衝撃にも強いところが魅力。表面が紙なので、寒暖差によって生じる表面結露を防ぎやすくなっています。
3.ポリエチレンとナイロン
外側にナイロンが、内側にポリエチレンが使用されているフィルムです。温度変化や衝撃に強く、破れにくいところが特徴で、レトルトパウチに使われる素材の1つです。ただし、他のフィルムよりも気密性や防湿性は低いため、開封後は別の密封容器でペットフードを保存する必要があります。
4.ポリエチレンとPET樹脂
耐水性に優れたポリエチレンと、温度変化や保香性に特化したPET樹脂を貼り合わせたフィルムです。気密性や防湿性はそれほど高くありませんが、フードの香りを閉じこめられるところが魅力。汎用性が高い素材なので、ペットフードだけでなく冷凍食品や真空パック食品にも使われています。
5.クラフト紙
強度が高いため、大容量のペットフードのパッケージに使用されることが多い素材です。ただし、フィルムより湿気や空気を通しやすいので、保管方法に気をつける必要があります。
ペットフードのパッケージを制作する際のポイント
犬もしくは猫用のペットフードを製造する際は、「ペットフード安全法」を遵守する必要があります。法律を守った広告表現の必要性とともに、パッケージを制作する際のポイントを紹介します。
1.広告表現に注意する
成分本質や用法用量、形状など、注意点は複数ありますが、特に注意が必要なのは「効果・効能」です。ペットフードは医薬品ではないので、医薬品や医薬部外品のように「効果・効能」を具体的に記載してしまうと、「無承認無許可医薬品」とみなされ、薬機法違反と判断される恐れがあります。
2.小ロットでスピーディーに制作できるサービスを利用する
オリジナルデザインのパッケージ製作をする際におすすめなのが、canalというサービスです。canalではペットフードに適したアルミ製やジップ付きの袋をはじめ、配送用の段ボールや紙器といった幅広いパッケージを取り扱っています。印刷会社の得意・不得意を把握し、品質・価格・納期が最適な印刷会社に最適発注することで平均20%のコストダウン、納期の短縮を実現しています。
サービス面もサポートが充実しており、内容物にあわせた適切な形状・材質の提案や、成分表示など注意が必要な点のチェックを一緒に行ってくれます。また、相談から注文までがすべてオンラインで完結する点も魅力です。ウェブサイトからチャットでの問い合わせができるので、気軽に相談してみてください。
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ペットフードのパッケージに必要な9つの表示規定項目
「ペットフード安全法」では、名称や原材料名をはじめとする5項目の表示を義務付けています。その他、「ペットフードの表示に関する公正競争規約」では、成分など4項目の記載がすすめられていて、市場に流通しているパッケージには計9項目が表示されていることがほとんどです。後者は自主基準となっていますが、ペットフードのパッケージ表示を決める際の基準として紹介します。
1.名称
犬と猫では必要な栄養素が異なるため、「ドッグフード」や「キャットフード」など、犬用または猫用であることを、日本語で明確に記載する必要があります。商品名で判断できない場合は、裏面の一括表示欄などに「犬用」や「猫用」、兼用の場合は「犬用・猫用」などと記します。
ここで言うところの名称は商品名です。法律を遵守しつつ、商品名やパッケージからブランドの特長を最大限アピールしましょう。
参照1:農林水産省 ペットフード安全法 表示チェックシート
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/petfood/pdf/160620_pf_hyoujick.pdf
参照2:農林水産省 ペットフード安全法 表示に関するQ&A
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/petfood/p_qa/hyouji.html
2.原材料名
ペットフードの原材料名と添加物は、原則すべて記載する必要がありますが、原材料に含まれる添加物に関しては、表記する義務はありません。例を挙げると、原材料のマグロに赤い色素(=添加物)が使用されている場合は、パッケージにその旨を記載しなくても問題ありません。
「ペットフード安全法」では、原材料名の記載順に関する決まりはないですが、消費者へ対する情報提供の観点から、配合量が多い順に記載するケースが多いようです。
参照1:農林水産省 ペットフード安全法 表示チェックシート
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/petfood/pdf/160620_pf_hyoujick.pdf
参照2:農林水産省 ペットフード安全法 表示に関するQ&A
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/petfood/p_qa/hyouji.html
3.原産国名
パッケージに記載する原産国名は、最終加工の工程を完了した国名を日本語で記載します。ラベルを貼っただけ、もしくは詰め替えただけでは最終加工の工程を完了したことにはなりません。日本を原産国とするフードは「国産」と記載できます。
参照1:農林水産省 ペットフード安全法 表示チェックシート
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/petfood/pdf/160620_pf_hyoujick.pdf
参照2:農林水産省 ペットフード安全法 表示に関するQ&A
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/petfood/p_qa/hyouji.html
4.事業者名及び住所
パッケージの表示内容に責任を持つ日本の事業者名と住所、事業者種別を記載します。製造を担っている事業者は「製造業者」、輸入をしている事業者は「輸入業者」、販売をしている事業者は「販売業者」など日本語で記すのが原則です。
参照1:農林水産省 ペットフード安全法 表示チェックシート
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/petfood/pdf/160620_pf_hyoujick.pdf
参照2:農林水産省 ペットフード安全法 表示に関するQ&A
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/petfood/p_qa/hyouji.html
5.賞味期限
ペットフードにおける賞味期限とは、製品に見合った正しい保存をした場合に、品質の保持が十分に可能だと認められる期限のこと。消費期限や製造年月日だけの記載は違反となります。「賞味期限」と日本語で記載した上で、年月日もしくは年月で記してください。英語表記の場合は、日本語の分かりやすい説明を併記しましょう。
参照1:農林水産省 ペットフード安全法 表示チェックシート
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/petfood/pdf/160620_pf_hyoujick.pdf
参照2:農林水産省 ペットフード安全法 表示に関するQ&A
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/petfood/p_qa/hyouji.html
6.成分
1974年にペットフード公正取引協議会によって制定された「ペットフードの表示に関する公正競争規約」では、粗タンパク質・粗脂肪・粗繊維・粗灰分・水分の重量比といった5つの成分・栄養素は必ず表記する、と定められています。その他、メーカーや商品によってはそれ以外の成分も表示している場合があります。
参照:ペットフード公正取引協議会 ペットフードの製造について
https://pffta.org/seizo/seizo1-2.html
7.ペットフードの目的
「総合栄養食」「間食」「療法食」「その他の目的食」などと、フードの目的を明確にします。「間食」の場合は「スナック」や「おやつ」と、「療法食」は「食事療法食」や「特別療法食」などと表示を代用することも可能です。
なかには「〇〇歳以上」「〇〇用」など、年齢や目的がブランド名とともに表示されている製品もあります。どのような目的で犬や猫にフードを与えるのか、一目で消費者に伝わるように記載しましょう。
参照:ユニ・チャーム ペットフードのパッケージ表記の見方
https://pet.unicharm.co.jp/web-magazine/pet-000006.html
8.内容量
「g」や「Kg」などの単位で内容量を記載します。それとともに、「小分けタイプ」などと説明が記載されているペットフードも多く存在しています。
参照:ユニ・チャーム ペットフードのパッケージ表記の見方
https://pet.unicharm.co.jp/web-magazine/pet-000006.html
9.給与方法
1日で与えるフードの量や回数を意味する項目です。ペットフードの目的や対象ペットの体重・年齢などによって与える回数や量は異なります。図や表、文章を組み合わせて分かりやすく表示することを心がけましょう。
参照:一般社団法人ペットフード協会 ペットフードの給与方法
https://petfood.or.jp/knowledge/giving/index.html
ペットフードのパッケージ知識を深めて企画販売に役立てよう
素材や形状、デザインなど、ペットフードのパッケージを完成させるまでに決定すべき事項は複数あります。理想のパッケージを作るには、フードの種類や陳列方法などを考慮することも大切です。また、パッケージに記載すべき内容もしっかり把握しておきましょう。パッケージに関する知識を深めて、「canal」で理想のペットフード用パッケージを制作してみてください。