canalで化粧品用のパッケージをご利用いただいているオーガニックスキンケアブランド『BLUE』様代表の山本様に、ブランドコンセプトに込められた想いや、デザインやパッケージへのこだわりについてインタビューさせていただきました。
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外見のためではなく内面を整えるためにこそスキンケアが必要
ー「BLUE」の概要や商品についてご紹介ください。
「BLUE」はメンズ向けのオーガニックスキンケアブランドです。2020年11月12日の「良い皮膚の日」にリリースしました。植物や花、果物など自然由来のエキスを多く配合し、肌に優しくかつ肌の悩みのケアに特化した成分になっています。また、防腐剤や着色料、鉱物油などを使用していないので、敏感肌の方にも優しい成分で作られています。
ーなぜBLUEを立ち上げようと思ったのですか。
自分の実体験がきっかけです。自分はもともと肌が弱かったのですが、20代後半になってから仕事の影響で生活が不規則になってしまい、ニキビができるなど更に肌荒れがひどくなってしまいました。様々なスキンケア商品を使っていたのですが、敏感な肌に適した商品があまりなく、さらに肌荒れが悪化してしまうこともありました。
調べていくと、男性用の化粧品では爽快感を強めるためにアルコールが入っていたり洗浄成分が強すぎるものが多く、敏感肌の自分にとって合わないものが多いことに気づいたのです。もともと自分が化粧品業界ではないこともあり、新しい切り口で商品開発することができるのではないかと考え、立ち上げようと思いました。
ーなぜそういったメンズ向けのスキンケアブランドがなかったのでしょうか。
ユーザーもメーカーも、強い固定観念に縛られていたからだと思っています。「男の人は水色や黒色のパッケージが好き」「スクラブが入っていれば洗浄力が強いから良い」「爽快感を売りにすればわかりやすい」などといった、メンズスキンケアに関する固定観念がまだ強く残っています。
しかし、今の大学生は男子でもメイクが当たり前になっていて、それに対して友人も普通に受け入れているなど、メンズスキンケアへの認識が大きく変わりつつあると感じています。まだスキンケアは女性のものと考えている方も多くいますが、言葉のリフレーミングなどを通じてより男性にとっても親しみやすい形で浸透していくはずです。
ーブランドの中でウェルネスという言葉を使われていますが、スキンケアとウェルネスはどのようなつながりがあると考えていますか。
スキンケアは外見を良くするためだけではなく、内面を整えてポジティブになっていくことにつながっていくと考えています。そう考えるようになったきっかけが、今の会社を作るタイミングで通い始めたパーソナルトレーニングです。通う前までは、いわゆる筋トレは筋肉を作り、外見を良くするためのものだと考えていました。しかし通い始めて、トレーニングは身体を鍛える為だけではなく、自分の気持ちを整えてポジティブになったり自信を持てるようになるサイクルを作っているのだと理解できました。
スキンケアも筋トレと同じだと考えています。外見を良くするだけではなく、心を整える、インナーウェルネスを実現するためにこそスキンケアが必要なんです。自分も肌荒れしていた時期は自信を失い、気持ちのメンタルバランスが崩れてしまって、更に気持ちがネガティブになって生活が乱れていくというサイクルになっていました。
ウェルネスとは「長距離走」を支える心の健康
ー「BLUE」にとってウェルネスとはどのようなものでしょうか。
ウェルネスとは心の健康です。コロナ禍によって、自分の周りでメンタルが崩れてしまう方がとても多くいました。そこで、海外でも同じようなことが起きているのか気になって海外の友人に聞いてみると、海外ではメンタルを整えるために休暇をとる人が増えていることを知りました。メンタルを整えるために休暇を取るということが当たり前になっていて、周囲もそれに対して「いってらっしゃい」「楽しんできてね」とポジティブに捉えているというのです。メンタルを整えることがポジティブに受け入れられている文化がとても面白く、かつ日本にはまだない文化であると強く感じました。
社会人生活は、短距離走ではなく長距離走です。途中で給水スポットを作っていかないと、疲れてしまいメンタルを崩してしまいます。身体と心の健康は生活の土台であって、その土台の上に仕事やプライベート、家族が構築されていると考えています。身体の健康と心の健康もつながっているからこそ、片方だけでなく両方を実現していくことが大切です。なので、BLUEはスキンケア製品を通して、肌だけでなく使っていただいているお客様の心も整えていけるようなブランドを目指してます。
ーそういったブランドコンセプトをどのようにユーザーに伝えていますか。
マーケティングの手法からこだわっています。特にメンズスキンケアの商品では、「営業がうまくいく」や「異性に好かれる」といった、相手からの見え方を気にして始めるという切り口が多くありました。「BLUE」ではインナーウェルネスにつなげていきたいからこそ、自分自身の気持ちがあがったり、生活の質があがるといった切り口で伝えていきたいと考えています。外部的な理由で始めたものは長続きしないからこそ、自分にとってどう良いのかを伝えることをスタート地点にしていきたいです。
また、ブランドの透明性も重視していて、解約や注文のスキップなどをしやすくし、より使いやすいブランドを目指しています。
スムーズなやり取りでこだわりのあるパッケージを実現できた
ーデザインにもブランドコンセプトが強く反映されていますよね。
容器やパッケージも含めて、デザインはとても重視しています。
容器は、洗面台スペースに置きたくなるか、という観点を大事にしています。洗面台のスペースはとても小さいので、残したいと思ってもらえるものでないと続けてもらえないからです。内箱も、エンボス加工を小さく入れるなど、よく見てみないと気づかないような些細なポイントまでこだわるようにしています。材質も多くの種類の中から検討して選びましたが、よりよいものを探していきたいと考えています。
さらに、ブランドカラーにもこだわっています。容器の色は、「勝色」といって濃い藍色の中でも、黒く見えるほど濃い色です。鎌倉時代に武士が「勝つ色」として縁起を担いで、好んで使ったため「勝色」と呼ばれるようになりました。日本人にとっても親しみやすい色です。容器は一見黒く見えるのですが、洗面台の光に照らすと淡い藍色が浮かび上がってきます。この色味も、何度もサンプルで調整し実現することができました。
ーcanalをご利用いただいていますが、やりとりをしていてどのように感じているか、教えてください。
年末に初めてお話をして、短納期でお願いしたのですが、とてもスムーズにやりとりを進めることができました。少し特殊な材質であったり、エンボス加工など細かいポイントがいくつかありましたが、サンプル設計や色味の調整などをスムーズに行うことができました。パッケージに関する知識が多く安心してお話できたことも良かったです。
ー最後にブランドの未来について教えてください。
今はECサイトを中心にユーザーに届けていますが、今後は卸売などオフラインでの販売も取り組んでいきたいと考えています。競合他社のことをよく聞かれるのですが、競合他社を気にしていくというより、目の前の使っていただいているお客様一人一人に対して、このプロダクトが良い効果を出せているか、どうすればよりよいプロダクトにしていけるかという点だけを重視しています。これからもユーザーに寄り添って改善を進めていきたいです。