オリジナル箱で顧客の心を掴む。パッケージの種類や印刷会社へのオーダー方法とは

ネットでのやり取りとなるECサイトでは、オリジナル箱のデザインも大切なポイントです。オリジナル箱のデザイン、心遣いを感じる梱包方法で、顧客に期待以上の体験を与えられます。この記事では、ECサイトに欠かせないオリジナル箱の種類や印刷会社へのオーダー方法、顧客の心を掴むポイントを紹介します。

【素材】オリジナル箱・パッケージの種類

オリジナル箱に使われる素材はダンボールやカードB、ファンシーペーパーなど種類が豊富で、素材によって印象や強度も変わります。まずは、オリジナル箱に用いられる素材について、いくつか紹介します。

ダンボール

ダンボールは、中芯となる波打った板紙に、ライナーという板紙を表・裏に貼り合わせたものです。「中芯やライナーに使われる素材がダンボール原紙で作られている」などの定義があるように、違う素材で同じように作られたものは、ダンボールではなく紙に分類されます。ダンボールは強度があるため、一般的に輸送箱の素材として使われることが多いです。

カードB

カードBは中間層がネズミ色の古紙で、表・裏面が白色の板紙です。印刷などの加工に適していて、紙製パッケージに使われています。強度はないため重い荷物や輸送箱には向いていません。
若干、裏と表の差がありますが、貼り加工などの作業にも適していることから、似た素材で表面が白色・裏面がネズミ色のコートボールよりもワンランク上の紙製パッケージに使われることが多いです。

特殊紙

質感や色柄にこだわった高級感のある特殊紙は、パッケージ以外にも本の装丁やカード類によく使用されます。種類が豊富なので、様々な雰囲気を演出でき、商品の差別化が図れます。エンボス加工を施したものや、ラメ入りのもの、和紙などがあります。

【形状】オリジナル箱、パッケージの主な種類

オリジナル箱には素材だけでなく形状にもいくつかの種類があります。化粧品のような立体物や衣類のような平面物など、中に入れる商品によっては箱の形状を選ぶことも必要です。ここからは形状の種類について紹介していきます。

フタ身式

ギフト箱とも言われるフタ身式は、身箱に上からフタをかぶせる形状の箱です。身とフタの高さが同じタイプが一般的ですが、身箱よりもフタの長さが短い「かぶせ式」のものもあります。フタ身式は身箱とフタとに分かれているため、強度や重量感があります。一般的には、ビンや缶などの重いものには強度のある貼合素材、それ以外にはコートボールなどの板紙を使用します。

キャラメル箱

筒状の胴体に、差し込み式のフタが上下についた形状がキャラメル箱です。キャラメルのパッケージがこの形状だったことから、キャラメル箱と呼ばれています。サック箱とも呼ばれ、フタの位置によってA式とB式があります。箱の両端が開く構造になっているため、ビンや缶などの重い物のパッケージには向いていません。

ワンタッチ底箱

底の二辺をノリで貼り合わせているためキャラメル箱よりも強度があり、重さのある商品のパッケージに適しています。底を起こすだけで組み立てが完了するので、大量生産の場合は効率的に作業可能です。雑貨や化粧品、お菓子などのパッケージなどに良く使われます。

オリジナル箱のオーダー方法

オリジナル箱を作成する際は、印刷会社に直接出向くだけでなく、インターネットで簡単にオーダーする方法もあります。ネットを使ってデザインデータを入稿したり、既存のテンプレートからデザインを選んだりと、作成方法はさまざまです。ここからは、オリジナル箱をオーダーする方法を紹介します。

①オリジナル箱のイメージを固める

実際にパッケージに入れる商品を元に、どのようなオリジナル箱を作りたいのか、素材・形状・デザインなどのイメージを決めます。パッケージにはさまざまな種類があり、素材や形状によってもイメージは変わります。注文前にパッケージのサンプルをもらえる会社もあるので確認しておくと良いでしょう。

②見積もりをしてから注文する

作りたいオリジナル箱のイメージが固まったら、注文する前に見積もりを出してもらいましょう。印刷会社のHPから注文する際は、希望する商品を選択してサイズや注文数を入力します。会社によっては、必要な項目を入力するだけで基本料金が算出されます。見積もりの金額を了承した場合はそのまま注文に進み、このタイミングで支払いとなることが多いです。

③データ作成・入稿、最終チェックをする

オリジナル箱を作成する時は、完成したデザインデータを入稿する方法と、印刷会社にデザイン作成からお願いする方法があります。他にも既存のテンプレートからデザインを選べる場合もあるため、自社に合った方法を選ぶことが大切です。
自分でデザインデータを作成する際は、どのようなソフトが使用可能なのか、データ作成時の注意点や保存形式、入稿方法などを確認しておくと入稿時のトラブルを防げます。
印刷会社にデザイン作成をお願いするのであれば、手書きでも良いのでデザインイメージを作成しておくと伝わりやすいでしょう。

④パッケージデータを最終確認する

オリジナルパッケージのオンライン注文では、PDFでデータの確認ができるケースが増えています。入稿したデザインとデータが一致しているか、モニターで簡単に確認できます。データ入稿の場合、修正する部分を見つけた時は顧客側が対応することになります。
ほとんどがデータを修正して再入稿という対応になりますが、念のため印刷会社に確認をしましょう。入稿データと線や文字の太さが違うなど、異なる部分がある場合は、まずはPDFの表示倍率を変えて確認してください。拡大や縮小をしても納得がいかない時は、印刷会社に問い合わせを検討してみましょう。

⑤印刷・加工後、オリジナル箱が届く

印刷データの最終確認が完了すると受付日が、そしてその後に出荷日が確定します。オリジナル箱は、出荷後1~3営業日前後で届くことが多いです。実際に出荷される日やパッケージの進捗状況については、会員ページやマイページの「注文履歴」などから確認できます。

顧客に喜んでもらえるオリジナル箱の梱包方法

ECサイトは顧客と直接会うことがないため、梱包方法も大切です。ショップからの心遣いを感じられる梱包は顧客に喜びを与え、リピートへの可能性が高まります。最後に、次につなげるための梱包方法のポイントを紹介します。

メッセージを添える

納品書や請求書、説明書などと一緒にお礼のメッセージを添えると印象がアップします。手書きが一番ですが、印刷された用紙を使用する場合も、一部を手書きにするだけでも印象が変わります。すべての人にメッセージを書けない場合は、おしゃれなメモに一言添えるだけでも好印象を与えられるでしょう。

試供品・ノベルティをつける

購入商品とは違う種類の試供品や、ノベルティをつけると顧客にお得感を与えられます。また、通販限定商品やキャンペーン商品などを用意すると、リピーターにも喜ばれるでしょう。お得感や喜びを感じてもらうことで、他の商品を購入するきっかけになるはずです。

クーポン・カタログを同梱する

通販限定など、お得感のあるクーポンやカタログの同封もリピーターを獲得する方法の1つです。印刷されたクーポンはお得感を演出するのにぴったり。カタログからは、どんな商品を扱っているのかを知ってもらえるので、次回の購入意欲にもつながります。

オリジナル箱はデザインや梱包方法も大切

顧客と直接会うことのないECサイトでは、オリジナル箱のデザインや梱包方法がお店の顔となり、リピーター獲得へつながる重要なポイントと言えます。商品の品質や価格も大切ですが、商品と一緒にちょっとした心遣いを添えることで、顧客のハートを掴み次回の購入へとつなげられるはず。オリジナル箱で梱包方法を工夫して、リピーターを獲得しましょう。