出来高納品とは?袋・パウチの注文で納品数量と請求額が変わる理由とメリット

袋・パウチなどのフィルム製パッケージ(軟包装)の見積書に「出来高納品」と書かれていて、「注文した枚数と何が違うの?」「請求額は見積書の金額で確定ではないの?」と疑問に思ったことはありませんか。

出来高納品とは、製造後に良品として完成した数量を納品する方法です。見積数量に対して納品数量が増減することがあり、請求額も納品数量に応じて変わります。

この記事では、見積書に「出来高納品」と記載されている場合の数量や請求額の考え方、製造工程から見た数量が変わる理由、そして発注前に確認しておきたいポイントを解説します。

▼出来高納品のポイント

✓
見積数量に対して、±15%程度の増減が出る場合があります
✓
請求額は「単価 × 実際の納品数量」で決まります
✓
「最低○枚必要」「予算の上限がある」場合は、発注前に担当者へお伝えください

今回のご注文に適用される条件は、お見積書・担当者からのご案内をご確認ください。

※canalのサイトからのご注文は、基本的に指定数量をお届けする「限定数量納品」です。出来高納品は、お問い合わせからの個別見積もりで、グラビア印刷・デジタル印刷ともにご案内する場合があります。

出来高納品とは?

製造して、良品として完成した数量をそのまま納品する方法です。「出来高枚数納品」「成行納品」などと呼ばれることもあります。

見積もりの段階では、使用する材料(原反)の量から、製造時のロスを見込んで「何枚くらい完成するか」を計算し、その枚数を見積数量にします。ただ、実際のロスは製造してみるまで確定しません。そのため、見積数量より多く完成することも、少なく完成することもあります。

見積もりは「想定したロスで計算した数量」、納品は「実際に完成した良品の数量」が基準になる。 これが出来高納品の基本的な考え方です。

納品数量と請求額はどう変わる?

請求額は「見積単価 × 実際の納品数量」です。単価は変わらず、届いた枚数分をお支払いいただきます。

少なく完成した場合見積どおり多く完成した場合
納品数量8,500枚(−15%)10,000枚11,500枚(+15%)
袋代の請求額170,000円200,000円230,000円

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※増減幅は、印刷方式や袋の形状などによって変わります。毎回15%ずれるわけではなく、ほぼ見積どおりに完成することもあります。
※金額は税別です。版代は数量に関係なく変わりません。送料などは別途、お見積書の条件をご確認ください。

この例では、11,500枚を納品した場合、見積時より袋代が30,000円増えます。これは単価が上がったのではなく、納品した袋が1,500枚多かったためです。反対に8,500枚の場合は、袋代が30,000円減ります。

「見積書に20万円と書いてあるから、請求額も必ず20万円」とは限らない点にご注意ください。

最低10,000枚必要な場合は、見積数量を10,000枚にするだけでは不足するおそれがあります。 必要な枚数や予算に制約がある場合は、発注前にお伝えください(詳しくは後述します)。

なぜ製造前に枚数を確定できない?

袋・パウチは、1枚ずつ作るのではなく、ロール状のフィルムを機械で連続して加工して作ります。そのため、最終的に何枚完成するかは、製造が終わるまで確定しません。理由を、材料と製造工程の順に見ていきます。

袋の材料は、ロール状に巻かれたフィルム「原反(げんたん)」です。原反は2,000m巻・4,000m巻など、決まった長さで手配するのが一般的です(材質や仕入先によって異なります)。

出来高納品の見積もりは、「○枚作るために材料を用意する」のではなく、「原反を○m使うと、何枚の良品ができるか」という順番で考えます。

1
原反の単位(2,000m・4,000mなど)で、使う材料の量を決める
2
袋のサイズから、その原反で何枚分の袋が取れるかを計算する
3
各工程の想定ロスを差し引き、完成する良品の枚数を計算する
4
その枚数を見積数量にする

手配した原反を使い切ることを前提にしているので、材料に無駄が出にくい方法です。

袋・パウチは、主に次の4つの工程を経て完成します。どの工程でも、機械の調整や不良部分の取り除きによって、製品にならないフィルム(ロス)が出ます。

1
印刷
フィルムにデザインを印刷します。グラビア印刷では、色ごとに作った版を使って1色ずつ重ねて刷ります。刷り始めは色や位置が安定するまで調整が必要で、その間に使ったフィルムがロスになります。デジタル印刷は版を使わないため立ち上げの調整は少なめですが、その後の工程ではロスが出ます。
2
ラミネート(貼り合わせ)
印刷したフィルムに、別のフィルムを貼り合わせます。湿気を防ぐ、光を通さない、熱に強いなど、中身に合った性能を持たせるための工程です。3層構成なら2回貼り合わせるなど、構成によって回数が増え、そのぶんロスも増えます。
3
スリット(切り分け)
1枚の広いフィルムに複数の袋を並べて印刷しているため、袋の幅に合わせて刃で切り分け、細いロールにします。端の切り落としなどがロスになります。
4
製袋(せいたい)
フィルムを重ねたり折ったりして、熱で接着(シール)して袋の形にします。シールの位置や寸法を合わせる調整、チャックや底マチの取り付けなどで、もっともロスが出やすい工程です。平袋のようなシンプルな形より、スタンドパウチやチャック付き袋など形が複雑な袋ほど、ロスが大きく、ぶれやすくなります。

最後に検品を通過したものが、納品できる良品です。

ロスはどのくらい出る?

ロスの量は仕様によって変わりますが、計算の一例を紹介します。ロスは足し算ではなく、前の工程で残ったフィルムに、次の工程のロスがかかっていきます。

工程ロス率の目安計算例で使うロス率残る枚数
投入する原反――約13,000枚分
印刷1〜2%前後1.8%約12,770枚
ラミネート(2回)各2〜3.5%前後各3.5%約11,890枚
スリット0.5〜1%前後1%約11,770枚
製袋5〜30%前後15%約10,000枚

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※製造の流れを説明するための一例です。実際のロス率は、フィルム構成・袋の形・加工内容・設備などによって異なります。

この例では、原反から想定ロスを差し引いて完成する約10,000枚が、見積数量になります。

ロスを見込んでも、数量がずれるのはなぜ?

見積もりで使うロス率は、過去の実績などから決めた想定値です。実際のロス率は、製造するたびに変わります。

上の例で、同じ量の原反を使っても、製袋の実際のロスが少し変わるだけで、完成数は次のように変わります。

製袋の実際のロス完成する良品数見積数量との差
10%(想定より少ない)約10,590枚約+6%
15%(想定どおり)約10,000枚±0%
20%(想定より多い)約9,410枚約−6%

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製袋だけでもこれだけ変わり、ほかの工程の差も重なります。これが、出来高納品で±15%程度の増減が出る場合がある理由です。

ロスを見込んで計算はしていても、最終的に何枚完成するかは、製造が終わってはじめて決まります。

出来高納品のメリット

数量が変わると聞くと不安に感じるかもしれませんが、出来高納品には発注する側にもメリットがあります。

✓
単価を抑えやすい
指定数量を必ず確保するための「余分な材料」や「使い切れない原反」のコストを上乗せする必要がないため、限定数量納品より単価が安くなる場合があります。
✓
多くできた分も同じ単価で使える
継続して販売する商品なら、多く完成した分は次回以降の在庫として使えます。単価が上がることはありません。
✓
材料を無駄にしない
手配した原反を使い切るため、廃棄する材料を減らせます。

継続販売の商品で、数量に多少の幅があっても困らない場合は、出来高納品が向いています。

指定した枚数ちょうどで納品してほしい場合は?

配送料を表したイメージ

あらかじめ指定した数量を納品する方法を、この記事では「限定数量納品」と呼びます。メーカーによっては「定数納品」「限定枚数納品」などと呼ばれる場合もあります。

canalのサイトからのご注文は、基本的にこの限定数量納品です。個別のお見積もりで出来高納品をご案内している場合も、数量の増減が難しいときは担当者へご相談ください。

出来高納品が「原反の量から枚数を決める」のに対し、限定数量納品は「必要な枚数から、材料の量を逆算する」考え方です。

たとえば10,000枚が必要なら、ロスが想定より多くても不足しないよう、余裕を持たせて原反を用意します。ただし原反は2,000m・4,000mなどの単位でしか手配できないため、必要量ぴったりにはなりません。余った原反や、指定数量を超えて完成した袋の製造費も、指定数量の価格に含める必要があります。

出来高納品では、原反を使い切って完成した良品をすべて納品・精算するため、こうした余分なコストを上乗せせずに済みます。そのため、限定数量納品のほうが単価が高くなる場合があります。

たとえば商品を10,000個作るために袋も10,000枚必要な場合、出来高納品で9,800枚の納品になると、200枚不足します。

そのため、「10,000枚前後あればよい」「最低でも10,000枚必要」「10,000枚ちょうどがよい」のどれなのかを、見積もり時に区別して伝えることが大切です。

ご事情発注前にお伝えいただきたいこと
袋が不足すると商品の生産に支障が出る最低限必要な枚数
限定商品なので余った袋を使えない指定数量での納品(限定数量納品)のご希望
見積金額を超えると社内処理が難しい予算や請求額の上限
ある程度の増減には対応できる許容できる数量の範囲

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「最低10,000枚」の場合は、出来高納品のまま原反の量を増やし、15%少なくなっても10,000枚を下回らない見積数量(約11,800枚)にする方法と、限定数量納品にする方法があります。どちらがよいかは、仕様や価格を見ながら担当者からご提案します。

出来高納品と限定数量納品、どちらを選べばいい?

価格だけでなく、数量が増減したときに生産計画や予算に支障が出ないかを基準に選びましょう。

比較項目出来高納品限定数量納品
納品数量完成した良品数量を納品あらかじめ指定した数量を納品
見積数量に対する増減±15%程度の増減が出る場合がある指定数量に揃える
袋代の請求単価 × 実際の納品数量指定数量に対する見積金額
単価抑えやすい高くなる場合がある
向いているケース継続販売の商品など、数量に多少の幅があってもよい限定商品など、必要数量が決まっている

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見積もり・発注時に確認しておきたい5つのポイント

認識違いを防ぐため、発注前に次の5点を確認しておくと安心です。

1
納品方法
今回の見積もりは「出来高納品」か「限定数量納品」か。過去の注文やサイトからの注文と同じ条件とは限りません。
2
数量の増減幅
見積数量に対して、どの程度増減する可能性があるか。
3
最低限必要な数量
見積数量を下回っても問題ないか。困る場合は「最低○枚必要」とお伝えください。
4
超過分の扱い
多く完成した場合、超過分も納品・請求の対象になることを確認しておきましょう。
5
請求額の決まり方
単価、版代、送料なども含め、最終的な請求額がどう決まるか。予算の上限がある場合はあわせてお伝えください。

よくある質問

出来高納品では、完成した良品をそのまま納品するためです。製造時のロスが見込みより多いと、見積数量より少なくなります。その場合、請求額も届いた枚数分に減ります。

見積数量より多く完成し、その枚数分を納品したためです。単価は見積もりと同じです。

製造後に超過分だけを外すことは、見積条件と異なるためお受けできない場合があります。余った袋を使えない場合は、発注前に限定数量納品をご相談ください。

はい。canalの個別見積もりでは、グラビア印刷・デジタル印刷のいずれでも出来高納品をご案内する場合があります。印刷方式だけで判断せず、お見積書の納品条件をご確認ください。

担当者へお問い合わせください。事前にご案内した数量の増減幅や精算条件に沿っているかを確認いたします。

まとめ

出来高納品は、材料を使い切って完成した良品をそのままお届けする方法です。数量は±15%程度増減することがあり、請求額は「単価 × 納品数量」で決まります。

数量に幅があっても問題ない商品なら、単価を抑えられる合理的な方法です。必要な枚数や予算が決まっている場合は、見積もりの段階で担当者へお伝えください。ご事情に合わせて、最適な納品方法をご提案します。

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